○膀胱癌

 ≪代表的な症状≫

膀胱癌は近年増加傾向にあり、60~70歳代の男性に多く発症しますが、最近ではもう少し若い人にも
見られる病気です。膀胱癌の代表的な症状は、「無症候性肉眼的血尿」で痛みもないのに突然尿に血
が混じるのが特徴
です。また頻尿、排尿痛など膀胱炎のような症状を伴う場合もあります。痛みもな
く血尿だけの症状だとそのうち血尿が止まることもあり、忘れてしまう場合が多いのですが、むしろ
痛みのない血尿の方が心配な病気が多く、その代表的なものが膀胱癌、腎臓癌、前立腺癌なのです。
「血尿が出た」「健康診断で血尿を指摘された」という方は、必ずご相談ください。

 ≪検査≫

膀胱癌を診断するためには、尿道膀胱鏡検査が必要です。ある程度痛みを伴う検査なので特に男性に
は嫌がられますが、以前より膀胱に通す管も細くなり、胃・大腸カメラのように軟らかい軟性膀胱鏡
も、最近では普及していますので、恐がらずに受診してください。

 ≪治療≫

膀胱癌は内視鏡で治療を行う場合が7~8割で、膀胱を摘出せずに済みますが、2年以内で再発する割
合が40~60%と高いため、手術後少なくとも2年間は3ヵ月に1回膀胱鏡検査を受ける必要があります。
患者さんの生活の質「Quality Of Life(QOL)」、年齢、癌の進行度などを考え、色々な治療法がありま
す。いずれにしても早期発見、早期治療が原則ですので、血尿に気付かれた方は早めにご相談ください。