○前立腺癌

 ≪代表的な症状≫

中高年の男性に多く見られる病気ですが、近年、日本人の間で急激に増加しています。日本における
死亡数の増加率は数ある癌の中で第1位となっています。統計によれば1995年から2015年までの間
に前立腺癌による死亡は3倍に増えると予想されています。

前立腺癌は、初期には自覚症状がなく、尿が出にくいなどの症状が現れた時にはすでに癌が進行して
いるという怖い病気
なのです。しかし、早期発見であれば、治療の選択肢も広く、完全に治す事
も可能なため、自覚症状がなくても定期的に検査を受けることが重要です。

 ≪検査≫

前立腺癌を早期に発見するために広く行われているのが、PSA検査と呼ばれる簡単な血液検査です。
PSAとは、Prostate Specific Antigen(前立腺特異抗原)の略で、もともと前立腺内で作られる物質で
すが、前立腺癌になると、血液中での量が増えていきます。PSAによる検査は採血だけで測定でき、
しかも精度が高いことから最も基本的な診断法として確立されています。
男性は50歳を過ぎたら年1回は、PSA検査と肛門から直腸に指を入れて前立腺を触診する直腸診を受
けることをお勧めします。

 ≪治療≫

年齢、癌の広がりの範囲(進行差)、患者さんの全身状態、QOLなどによりホルモン療法、手術療法、
放射線療法等を行います。